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さて 読書の楽しみとは 何か という素朴な想念について フィクションの場合 物語の進行 所謂ストーリーにドライブされることがメインだろう ただし ジョイスや フリオ・コルタサルの『石蹴り遊び』などの強烈な例外もある(笑) 一方で ノンフィクション 特に現実の事件や人物を再構成したものではないもの 例えば 今回読んだ柄谷行人氏の『哲学の起源』の場合はどうなのだろう? バートランド・ラッセルの『西洋哲学史』(みすず書房)は 個人的にラッセル卿が好きだというコトもあって 歴史的な哲学者の紹介における卿の考え方が楽しめる というか それ以前に「知らないことが書いてある」という読書の最も基本的な欲求=快楽がある(笑) 柄谷行人さんについて 今まで何を読んできたのか あらためて振り返ってみた 1979.05.19 意味という病 柄谷行人 冬樹社 1979.05.21 反文学論 / 冬樹社 1979.05.25 畏怖する人間 / 冬樹社 1979.07.13 ダイアローグ / 冬樹社 1979.09.10 小林秀雄をこえて・対談・中上健次 / 河出書房新社 1981.05.19 マルクスその可能性の中心 / 講談社 1981.05.22 日本近代文学の起源 / /講談社 1983.11.24 隠喩としての建築 柄谷行人 講談社 1984.06.24 思考のパラドクス 対談集 / 第三文明社 1985.05.12 批評とポストモダン / 福武書店 1985.12.28 内省と遡行 柄谷行人 講談社 1986.12.30 探求1 柄谷行人 講談社 1989.12.31 探求2 柄谷行人 1990.08.01 終焉をめぐって / 福武書店 1991.04.01 終わりなき世界 +岩井克人 / 太田出版 1992.03.03 ディアローグ3 / 第三文明社 1993.07.10 闘争のエチカ +蓮實重彦 / 河出書房新社 1994.03.09 戦前の思想 / 文藝春秋社 1995.05.22 ヒューモアとしての唯物論 / 筑摩書房 1997.03.10 差異としての場所 / 講談社学術文庫 2000.05.05 倫理21 / 平凡社 2001.10.31 増補 漱石論集成 / 平凡社ライブラリー 2002.04.18 柄谷行人初期論文集 / 批評空間 2007.09.22 世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて / 岩波新書 2008.09.08 日本精神分析 / 講談社学術文庫 『 意味という病』が最初に読んだ柄谷行人本だったのだなぁ(笑) と言ふ理由で 30年以上にわたって読んできたのだけど 柄谷さんの著作を読む快楽はもちろん「知らないコトが書いてある」からなのだが 同時に 純粋に論理的で清明な文章を読む快楽 でもある 他の著述家では得難い純粋な快楽なのだ ・・・とか言いながら『トランス・クリティーク』(岩波書店版定本柄谷行人集/2004年)は途中で放り出したままだ やれやれ(笑) 個人的に『 世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて』『 日本精神分析』の2冊を読んで いつもの様なロジカルでシンプルな文章を読む快楽から若干離れてしまった印象を持ったのである 勝手に 柄谷氏も流石に歳をとったのかと思い込んでしまったのだ しかし この『哲学の起源』を読んで 70歳を超えた柄谷氏が今なお闊達に思考し著述する様子に感嘆した すげえ爺様だよ(笑) 内容は アテネ民主制は イオニアの「イソノミア」(無支配)に対する恢復ではなく反動である という趣旨を イオニアにおける自然哲学者タレス・アナクシマンドロスの哲学を再構成することから説き起こす そしてソクラテスこそが このイオニアの「イソノミア」(無支配)を恢復しようとしたのだと結論する プラトンはココにおいて反動の巨魁として批判される(笑) まるで カール・ライムント・ポパーによる『開かれた社会とその敵1 プラトンの呪文』(内田詔夫・小笠原誠訳 未来社)を読み返しているかのような錯覚に陥ったね(笑) まぁ 柄谷氏自身がポパーのこの著作を引用してもいるのであるが 初期ギリシャ哲学というのは断片しか残っていないというか ディオゲネス・ラエルティオスによる岩波文庫の『ギリシア哲学者列伝』(上中下)を読むのも楽しいもんなんだけどね アタシはプラトンと同時代のディオゲネス 樽に住んだ畸人が大好きなんだよなぁ(笑) 柄谷氏のこの著作でもディオゲネス氏は 評価高いよ(笑) とにかくイオニア派 エレア派 ミレトス派のスーパースターが揃い踏みで 読んでいてめっちゃ楽しいです 柄谷氏の清明だけど「熱い」文章が花を添えています 読む快楽 という意味では2012年度最高の一冊でした うーん 大 満足
by duchampped
| 2013-01-08 23:17
| 逍遙的読書
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