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さて アタシの古い友人に統合失調症の患者がいる 30代で発症し かれこれ20年以上 生活保護を受けている 基本的に彼は何もしていない ヒマなので無闇に電話がかかってくる 調子が良い時は 何を言っているか分かるが 不調の時は文字通り唐人の寝言である 精神科医の春日武彦先生の著作もこれが29冊目になる ご本人が あえて「いかがわしい」と呼ぶものこそが ご自身の職業である精神病の治療という臨床行為なのである 例えば 獣医の治療行為は楽ちんなのか? 動物は言語を持たないから 直接的なコミュニケーションができない 痛みや嫌悪は類推できるかもしれないが ソレは言語化された類推だ で 精神科医は 言語を用いて 精神病の患者を治療する CTスキャンやMRIの画像で解析されるような精神疾患は ほとんど存在しない しかし 精神病の患者が 自らの病症に自覚的とは限らないのである 特に境界性人格障害なんて アタシの周囲にもソレらしき危ない健常者がゴロゴロ居る 現実的に 穏やかで平和的な社会生活が送れないから 彼らは被治療者として 精神科に連れてこられる 精神とは何か 穏当で理性的な社会性とは何か 何て 誰にもわからない 精神科の医師にも分からない 向精神薬を投与して 効くも八卦 効かぬも八卦 なのだという 春日先生は 常に 暗澹としている その友人は この半年ばかり 短いタームで矢鱈に入退院を繰り返した その結果 最近は ほとんどコミュニケーションが不可能な程に 病症が進んでしまった しかし その友人は 20年以上 比較的安定した状態で過ごしていたのであった 悪く勘ぐれば 医療機関が営利のために不必要な入退院を繰り返させて 不必要な向精神薬を大量に投与したことすら疑われる が コミュニケーションの不可能な友人は 何を言っているのか分からない 春日先生は 精神科の臨床の立場から この 壊れてしまった人間たちのリペアがいかに不可能か そして 病症が不可逆か 何度も 繰り返し書いておられます 読む度に アタシも 暗澹とします 壊れてしまった友人 彼が十代の頃の素直な笑顔を浮かべることは 決してありません 固まった能面の様な表情なのです
by duchampped
| 2012-11-12 09:00
| 逍遙的読書
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