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美術学校時代の友人の話。その友人がまだ女子高生の頃。彼女はマンションに家族と住んでいた。近所にいけ好かないオバハンがマルチーズを後生大事に、あたかも着せ替え人形の様にあれこれ着せては”抱いて”散歩していた。 ところがそのマルチーズが或る日彼女の家の方にふらふらやってきた。それを捕獲した彼女は体育会女子だったので「犬は犬らしくしろ」という方針でしばらく鍛え直すコトにした。 まずはじゃらじゃら着せられていた衣装を脱がし、散歩に連れて行った。毎日毎日、散歩先の広場で彼女はマルチーズに「ボールを投げて拾ってきたら餌をやる」という訓練を課したのだ。何しろ全力疾走してボールを取って来ないと何も食べられないのだからマルチーズも必死だったらしい。そして「犬らしく」という方針に従ってマルチーズは「ポチ」と呼ばれた。 しばらくして彼女が犬を触ってみると、少しずつ筋肉が付いてきた感じだ。 嬉しくなった彼女は、それが視覚的にも分かる様に長毛のマルチーズをつるつるの短毛に刈ってしまったのだ。そしてその「強化訓練」によって「ポチ」はますます筋骨隆々としたマルチーズに進化したらしい。 短毛にするとマルチーズの毛は太く硬くなっていった。彼女は面白がってマルチーズを「職人みたいな角刈り」にしたりして遊んでいたという。 数ヶ月後、ふと見るとマンションの掲示板にいけ好かない婆が「愛犬ジュリアンを探しています。見つけてくれた方には現金で御礼します。」というマルチーズの写真入りのポスターを貼っていた。 両親からも、よそ様の犬にその様な悪戯をしていないで返してあげなさいと言われて、彼女は「ポチ」を連れてそのいけ好かないおばさんの部屋を訪ねた。 ところがその婆は連れて行った「筋骨隆々で角刈りのマルチーズ」を見て愛犬ジュリアンではないと言い張り、挙げ句の果てには女子高生の彼女が小遣い欲しさに汚い犬を連れてきたのだと言ったそうだ。彼女はちゃんと謝った上で顛末を話したがそのオバハンは最後までその話を信じなかった。 一方の「ポチ」も、”ジュリアン”と飼い主に呼ばれても反応しなかったという。 きっと彼女と暮らす方がずっと楽しかったのだろう。 結局自宅に「ポチ」を連れて帰った彼女は死ぬまでそのマルチーズを鍛えて飼った。定期的な注射などで近所の獣医に連れて行っても獣医は「ポチ」が「血統書付きのマルチーズ」とは信じなかったそうだ。 そりゃ筋骨隆々で角刈りのマルチーズなんてモノは普通は存在しない。 「ポチ」はマルチーズの平均寿命よりもかなり長く生きたという。いけ好かないおばさんに猫可愛がりされるよりも雨の日も風の日も広場でボールを取ってきて食べる餌が楽しく美味しかったのだろう。ちなみに彼女はその後ボディービルに凝って本人も筋骨隆々になっていた。元々がスゴイ美人なので軽い気持ちで寄っていった男達は痛い眼にあっただろう。 彼女には他にも混雑する満員電車で痴漢の"ふりちん"露出狂親父を公安にそのまま突き出しという話や、武勇伝に事欠かない。 しかし、この筋骨隆々の角刈りマルチーズの話が一番おかしい。 50代になった彼女はどうしているのだろうか。
by duchampped
| 2015-10-05 14:28
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