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12/19(土)
さて本日はJR西日本屈指の山間路線木次線の亀嵩駅駅舎で営業する手打ち蕎麦屋を訪ねる。比較的遅い朝、6時に起きて6時半にホテルを出て三次駅に向かう。
新しい三次駅。旧駅舎は駅前広場から階段を上がる形だったがバリア・フリー化されている。

駅名標はもちろん変わらない。

芸備線備後落合行はキハ120形。

06:56 三次発 芸備線 備後落合行 08:17 備後落合着 乗継待〈68分〉
暗い中をゴトゴト走り出す。客は少ない。
塩町で少し明るくなってきた。デジカメなので自動的に明るく写ってしまう。

塩町から福塩線は福山方面(右)に、芸備線は新見方面(左)に別れる。


芸備線は馬洗川を鉄橋で渡る。

下和知。乗降客数が10人/日という閑散とした駅。


備後三日市。こちらの乗降客数は8人/日。


芸備線は西城川沿いを行く。ここは地盤が弱いのだろう。

髙。1文字の駅名。交換設備は撤去されているが相対式ホームが残っている。駅名標は撮影失敗した。ま、いちいち下車できないから仕方ない。

ここは落石か、地盤か。

備後西城。駅舎の美容院?営業はしていない感じ。

比婆山。ここにも相対式ホームが残っている。

トンネル入口の速度制限表示。下段にはハッキリ「貨物」と書いてあるなぁ。

備後落合に近づく。左側から木次線が寄ってきて、備後落合に到着。8時17分。



駅名標、こちらは隣駅に芸備線と木次線の両方が表示される。

こちらは木次線の駅名標。

相変わらず本数の少ない時刻表。木次線は朝昼夕の3本、芸備線三次方面は6本あるが新見方面は3本しかない。

駅舎入口。かつて優等列車が行き交っていた頃はホームに「駅そば」があったという。幾星霜。

乗って来た芸備線は折り返し9時12分発の三次行になる。

9時25分まで68分の待ち時間、剰りに寒いので12分の発車まで芸備線のキハ120形の中で待たせてもらう。車内は暖かい。

芸備線、新見方面の線路。

木次線のキハ120形が到着。

まだ行き先表示は備後落合のままだ。

09:25 備後落合発 木次線 木次行 10:36 亀嵩着 乗継待〈157分〉
亀嵩に向けて出発。ここから三井野原まで標高差274mを登る。左側には乗って来た芸備線三次方面の線路。


実は油木までの間に6つのトンネルがある。最初に一番長い第二梶谷トンネル(351m)。
第二梶谷トンネル(351m)

第一梶谷トンネル(44m)

馬路トンネル(76m)

第二猪子尻トンネル(46m)

第一猪子尻トンネル(150m)

皿谷トンネル(218m)

油木。広島県最北端の駅。駅を中心にした直径1kmに21人しか住んでいない。(ちなみにアタシの住むJR中央線武蔵小金井は同じ範囲に12,399人が住んでいる)


274mを登って三井野原に到着。この駅は島根県に入った最初の駅。駅舎が新しい。運転士さんが「JRの建てたモノじゃ無いです」と教えてくれた。乗車人員は5人/日(2012年)。かつてスキー場が賑わっていたころはシーズン中8万人が訪れたという。スキー・ブームも終わったし、皆クルマで移動する時代なのだ。

余談だが、子供の頃JR新宿駅にはスキー板を担いで坐り込む人々が長い行列を作っていた。夜行の急行でスキー場を目指す人たちだったのだろう。
三井野原から3段スイッチ・バックを経て出雲坂根に向かう。最初の第八坂根トンネル(32m)

第七坂根トンネルの手前で国道314号線の奥出雲おろちループの最高部の橋が見える。木次線は更に外側の山々を大きく弧を描きながら9つのトンネルを抜けて進む。

第七坂根トンネル(87m)入口の上部にある灰色のものは何だろう。第五、第一トンネルの入口上部にもあるのだが。

第六坂根トンネル50m

第五坂根トンネル75m

第四坂根トンネル610m。このトンネルはやや長い。

中央坂根トンネル80m。何故これが「中央トンネル」なのか。当初、この部分は切り通しを造る予定で工事を行っていたが断層が横切っていて崩落が激しく、急遽短いトンネルに変更したため、トンネルのナンバリングを変更することも出来ず番外の「中央坂根トンネル」と名づけられた。第一から第八トンネルの間に9つのトンネルという不思議なことになった。これは今尾恵介さんの本で知った。

第三坂根トンネル626m。これが坂根トンネルの中では最長。

第二坂根トンネル66m

第二坂根トンネルを出てしばらく行く。既に出雲坂根駅の上方に達しつつある。この小屋は何だろう?周囲には道も人家もないのだ。

拡大してみたが判らない。そもそもこの小屋にアクセスする方法がないだろう。

駅に近づくが、まだスイッチ・バックの部分折り返しまでにはトンネルが残っている。

第一坂根トンネル60m

第一坂根トンネルを出ると左手前側から出雲坂根駅から登ってくるスイッチ・バックの2段目が近づいてくる。


正面に折り返しポイント。雪や凍結からポイントを守る小屋がかかっている。


小屋を抜けて。

折り返し部分は意外に長い。かつて長大な優等列車がここを通っていたのだろう。


奥に行き止まりが見えた。

運転士は反対側の運転台に移動。キハ120形は反対方向に走り出す。


小屋の部分を出ると左に三井野原方面、右がこれから出雲坂根に下って行く線路。


左奥に第一坂根トンネルが見える。

降りて行くと右側から最後に出雲坂根駅で折り返し木次方面に向かう線路が見えてくる。

徐々に出雲坂根駅に近づく。

踏切を過ぎると右ホームに駅舎が見えてくる。

木次方面は相対式ホームの左側に入線。

2009年にこの駅に来た時駅舎は工事中で存在していなかった。立派な駅舎。しかし乗車人員は3人/日(2012年)だ。

延命水にも立派な四阿がかかっていた。運転士さんの好意で飲みに走った。飲んでいるのは乗り合わせた男性客。井の中氏は既に飲んで車両に向かってダッシュ。

延命水は相対ホーム駅舎側にある。木次行は乗客3人が延命水を飲む間待機してくれている。

駅にあった表示。

出雲坂根を出発。

ここから出雲横田方面に向けて長い長い下りを降りて行く。右が三井野原方面スイッチ・バックの2段目。左が宍道方面。


八川。乗車人員0人/日(2011ー2012年)。

出雲横田を出るとここからは運行本数が増える。ようやく本日の目的地亀嵩に到着。


駅舎に入る。古い駅名標。

かつての出札口だろうか。

その横に駅舎で手打ち蕎麦屋を営業する扇屋入口。

ダルマ・ストーブがすごく懐かしい。暖かい。

まずはメニューで「割子そば」を選ぶ。一人前は3枚、アタシはJAF会員証を見せるとサービスされる1枚を付けて6枚(二人前)をたのむ。値段は割子5枚分で1280円。

出来るまでの間、駅舎の外る。入口に郵便ポストがある。

全体はこんな感じ。

さあ割子そばがでてきた。向こう側の4枚は井の中氏。急須の様なものに入った蕎麦汁をかけて食べる。

とても美味しかったが流石に6枚食べると満腹。

食後の散歩。宍道行は13時13分なので時間はたっぷりある。

こんな看板を見つけた。和泉式部?

通りかかった地元の人に訊いて入口を教えてもらう。雪の中をスニーカーで行くのだ。足が冷たい。

入口から線路を越えて5-6分で和泉式部の墓に着いた。和泉式部、晩年が不明なので全国に墓が点在しているらしい。北は岩手県北上市、岐阜県可児超郡、兵庫県伊丹市、京都府亀岡、山口県小野田市などにもあるという。その中でもこの墓はさほど有名ではない様だ。伝(傳)と素直に記してある。

左には娘の小式部内侍の墓まである。娘は母よりも先に亡くなったはずなのだが。

和泉式部の墓から亀嵩駅方面を観る。駅から直線距離で400mくらいかな。

木次方面を見る。帰路はこちらから帰ってみた。左の建物の向こうに一応踏み切りがある様だ。

その踏切を渡る。亀嵩のホームが見える。

駅に戻って扇屋の蕎麦をさらに食べる。山かけ(割子3枚分が一人前)780円。同じ様に蕎麦汁をかけて食べる。JAF会員のサービスをもう一回出してくれて割子が1枚付いてきた。結局扇屋で割子を10枚食ったことになる。美味しいから問題ない。(笑)

亀嵩の古い表示。

13時13分発の宍道行が出雲横田方面からやってきた。

13:13 亀嵩発 木次線 宍道行 宍道 14:28着 乗継待〈13分〉
県営三成発電所。1953年、60年以上前に作られたダムの発電所。

出雲八代、古い木造駅舎が残っている。

ここも古い木造駅舎が残る日登(ひのぼり)。

14時28分宍道に到着。ホームと駅名標はあるが使われていない線路は撤去されている。

向かいに米子行が来た。

113系電車の改造車か?

特急「やくも」もやってきた。

山陰本線 浜田行が来た。

こちらは後側。ハゲかけた塗装に所々修復の跡?

14:41 宍道発 山陰本線 浜田行 浜田着 17:26
3時間近い。長丁場だ。
田儀で交換待ち。日本海が眼の前。



スーパーおき に抜かされる。

五十猛「いそたけ」と読む。

馬路「まじ」。木次線で通ったトンネルに馬路トンネルというのがあった。

夕焼けはないが日が暮れる。

浅利の手前で並ぶ風車(風力発電)。

国鉄時代のコンテナが放置されていた。

浅利。

また風車。

ここは波子(はし)。

久代(くしろ)。

17時25分浜田に到着。ホテルに荷を解いて近所の居酒屋で一餐。流石に日本海、刺身が美味しかった。

明日は4時半起床なので早く寝る。
本日の移動
232.0km 全部非電化
さて 明日は廃線が噂される三江線に乗る。そして初めて芸備線、三次ー広島間に乗り、九州の中津まで行く。