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![]() 椎名誠さん、実は初めてなのだ。 図書館でふと「殺したい蕎麦屋」というけったいなタイトルに目がとまって借りてしまった。 これまで特に避けてきたワケではないが、昭和軽薄体とか話題になった文体に興味が無かったし、アタシはアウトドアとかキャンプとかが好きではない。そーいう趣味とは無縁なので敢えて読む必要がなかったのである。そうじゃなくても読みたい本が常に山積している。 しかし今回なにげに読んでとても嬉しかった。驚くほど椎名さんとアタシは生きる上での方針つーか好みが似ているのである。 まず「犬好き」には全面的に賛同する。仲良くなった犬とはコミュニケーションができるが猫とはほぼ不可能だ。 靴磨きをヒトにやってもらうこととゴルフ、これも椎名さんと同じ理由でアタシにも経験がない。しかし、靴磨きをしてもらわないこともゴルフをしないことも別段自慢する様なことでもないのであらためて椎名さんの文章を読んでホッとした。 基本的にエラソーにするコトがキライなのだ。風俗がキライというのは貧乏性で吝嗇ということもあるが金銭で他人(の時間や自由を)買うというのがイマイチ好きになれないのだな。昔、五反田のおでん屋で何度か風俗業界のお姉さんたちとカウンターで隣り合って楽しく吞んだ。彼女たちの話は面白かったけど客になりたいとは思わない。 アタシもビバルディなんぞがBGMで流れている様なクソ気取った蕎麦屋は大キライだ。ビックリする様な値段で(高いのですぞ)これまたビックリするほど少量の盛りが登場した日にゃアタシだって爆発的に憮然とする。後ろ足で戸を閉めて出ていきたくなる。 同様に本格も本場も本寸法も願い下げにしたい。 田中康夫が悪口を書いていた西麻布のクイーン・アリスはタダのお笑いだが、儀式的な遊戯としてうしろにひっくり返りそうなくらい気取ったフレンチ食堂でメシを食うのもそりゃそれで面白いものだ。が、貧乏なのでなかなか実施出来ない。 グルメとか(フランソワ・ラブレーは好きだけど)セレブとかヴァカ丸出しの話題も勘弁して欲しい。ゲーノージンが好き、ということの意味が分からない。 ジョン・ケージ本人がアタシの眼の前2mで"4分33秒"を演奏した時でさえサインを貰うのを必死で我慢したのだ。小さな集まりでその場に20人くらいしかいなかったという理由もあるが、今は激しく後悔している。 もちろんキャベツとモヤシと玉葱は大好物だ。何しろ安い。それに時間だけはあり余っているので丁寧に出汁を採って厚揚げを煮ると美味い。とか。 低回趣味を基本にひっそり閑かに暮らしている。文庫本とコンデジをポケットに入れて散歩するのが好きだ。 他人の好みや生き方に干渉することも好まない。所詮自分とは異なる他人が自分と全く違う異星人だとしても気にしなければ良いダケの話だ。おしゃべりな店員も嫌いだし、能書きの多い奴も鬱陶しい。 アタシはニコニコと愛想ヨク全てを無視する。土台理解の出来ない他人と事を構える必要などない。穏やかに笑いながら通り過ぎてゆくだけ。 若い頃は虚(うつけ)けたフリしてヴァカをからかって遊んでいたけど、還暦間近にもなると空を眺めたりいろいろ忙しいのである。 ってな感じで椎名さんの呼吸がとても性に合う。豪放で繊細、闊達だが静謐。 就中「なくていいもの」本書 p.81-83も支持したい。交通安全週間になると運動会の様なテントが交差点に出来て暇そうに老人達がポットのお茶を飲んでいることに何の交通安全効果があるのかアタシにも理解出来ない。道路の彼方此方にやたらに掲げられている「やさしさと思いやりで走る町」なんてのにも何の意味もない。 新聞の投稿歌壇や俳句を眺めて朝から笑って済ます程アタシは人間が錬れていない。自分を棚に上げて凡庸を毛嫌いする。つまりは凡庸さの証左だ。 雨の高速道路に点滅する「雨」の文字も脱力する程無駄だし。地方をカーナヴィのない時代にドライブしている時、行き先表示のワケのわからなさにはウンザリした。そもそも東京はどっちなんだ!と叫びながら怒っても、単に道に迷うのである。 ちなみにアタシはヴァカのひとつおぼえ「触れ合い何ちゃら」も大キライだ。何で地方(痴呆)公共団体のネーミングに無闇矢鱈と頻出するのか? もうそこら中で触れ合いだらけなのだ。アタシなんざ触れ合いがイヤで炬燵にも入らないのに。 考えてみるとアタシはエンタメを毛嫌いして読まないから「本の雑誌」とも無縁な人生だった。たまたま目黒孝二さんの『酒と家庭は読書の敵だ』(角川文庫)や沢野ひとし画伯の『太田トクヤ伝』(本の雑誌社)は読んだことがあったが偶発的な単発読書だ。 それにしてもこの本が出版された2013年12月に椎名さんは240冊以上の単行本(文庫はカウントしない)を出していると書いている。デビューが(業界紙関連の著作を除いて)1979年末の『さらば国分寺書店のオババ』(情報センター出版局)だから33年間で240冊、単純に年間7冊以上の本を書いている計算になる。ハッキリ言って矢作俊彦氏に爪の垢を煎じて飲ませたい。 つまり椎名誠さんに不毛に共感してしまった結果、還暦を迎えるに当たってその著作をじわじわと読む宿命を10年遅れで知命してしまったのである。 とにかく生きるに当たっての趣旨においておおいに賛同しちゃったので仕方がないと諦めた。追々図書館で借りて読むことになるのだが、他に大量の「読みたい本の順番待ち」があるのでまとめて240冊というワケにはいかないのだ。 というか、エンタメを毛嫌いして読まない、という固執も止めた方が良いとは思うが、読みたい本がこれ以上増えては収拾がつかなくなる。若い頃はその幸福感に酔いしれたが60歳を目前にすると読みたい本を更に選んでしまう。 他人からは、所詮、死ぬまでの暇つぶしにしか見えないのだろうが、凡人は存外必死なのである。 やれやれ
by duchampped
| 2016-01-12 01:04
| 逍遙的読書
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