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7月29日、青春18きっぷ夏の長征、4日目だ。 久しぶりに4時半起床。グズなので余裕を持って朝の身支度をする。顔を洗うついでにシャワー。5時15分に出発。コンビニで朝食のサンドイッチを買って倉敷駅で青春18きっぷに検印を貰う。 05:45発の伯備線で清音に向かう。国鉄115系の改造車。井原鉄道は一応は起点が総社駅だが青春18きっぷで行ける清音から乗ることにする。 05:52清音到着。JR駅名標。 05:59発の井原鉄道に乗り換える。乗換がちょっと分かり難いが、井原鉄道の車両が見えているのでそちらに向かう。 こちらが井原鉄道の駅名標。 IRT355形、井原鉄道オリジナルで355馬力(だから355形らしい)。33‰を登るパワフルな車両だ。 清音を出発して電化されている伯備線の間を抜けて急坂を登る。 R400の急カーブ、更に33‰という急勾配を登って高梁川橋梁(716.3m)が見えてきた。 この橋梁が間に直線を挟んでカーブを描いているのだ。しかも橋梁区間は716mのロングレールという贅沢な作りである。さっき此の下を伯備線の下りで通過した。 まずはカーブ。 続いて中程は直線。 そして再び右カーブ。 カーブしたまま対岸に渡る。 昨日の若桜鉄道の第一八東川橋梁(昭和4年製)もカーブしている橋だった。 曲がっている鉄橋では、内田百鬼園先生が書いている山陽本線の吉井川橋梁が有名である。(先生が書いた橋はもちろん明治にかけられた古い方の橋。1950年代半ばに新しいものに架け替えられているから阿房列車で渡った時の先生の感想はどうだったかしら?帰ったら確かめなくちゃ) しかし、走り出して驚いた。全線がほとんどが高架なのだ。しかも路盤が高規格でほとんど車両が揺れない。IRT355は時速90km以上でビュンビュン走る。 ここで井原鉄道の歴史を簡単にお復習い。元は1913年(大正2年)に井笠鉄道が笠岡ー神辺間で軽便鉄道を運営していた。国鉄も総社ー井原ー神辺間の井原線を計画。着手は遅く1966年着工。1980年国鉄再建法で工事は中止。 1986年岡山県・広島県と周辺自治体が「井原鉄道」を設立。1987年から中止されていた工事を再開。1999年に総社ー清音(JR西日本伯備線・吉備線区間)ー神辺が開業した。 最初の駅、川部宿。高架駅だ。 次駅に着いて、駅名にビックリ。 吉備真備(きびのまきび)なんて教科書でお目にかかって以来だ。本当に吉備真備の出身地らしい。駅名標にも遣唐使船に乗る姿が描いてある。久しぶりに名前を聞いた。(笑) とにかく、線路の規格が高い。355馬力は90km/hでビュンビュン飛ばす。 微衷呉妹駅は築堤の上に駅がある。 真っ直ぐな線路、真っ直ぐにトンネルに入っちゃう。 三谷駅。高架駅。 矢掛駅。 列車交換。ちょうど朝日が昇ってきた。駅を出たらすぐに制限速度は90km/hだ。 小田駅。微衷呉妹駅と同じ築堤の上。 荏原駅に近づくと井原鉄道の車両基地がある。本社所在地でもある。 写真からは本社は分からない。珍しい地上駅。 そのまま地表を走る。相変わらず90km/h。 井原駅。ここも地上駅、体育館に尖塔が生えている様なのが駅舎。 尖塔の土台部分が駅舎内に見える。列車交換。 いずえ駅。所在地が「出部」で「いずえ」と読むが駅名はひらがな表記。 子守唄の里高屋駅。駅のデザインが共通なのだろうか「いずえ」とクリソツ。というか小田も似てるし、合理的に考えれば同じデザインでも何の問題もない。 御領駅でも列車交換。朝の通勤通学時間帯なのだ。 湯野駅。ここまでで高架駅でなかったのは「清音」「早雲の里荏原」「井原」の3駅、「小田」「微衷呉妹」が築堤上、他の8駅は全て高架上だ。 終点の神辺に近づくと電化された福塩線が右下に現れる。福塩線は福山ー府中間が電化されていて、その先は三次まで非電化区間だ。 福塩線と並行になる。 左側が井原鉄道の神辺ホーム。 右の福塩線ホームは通勤通学の客でいっぱい。06:49到着。 06:53、4分後に福塩線の福山行なので慌てて福塩線ホームに行く。混んでいる。駅舎も駅名標も撮る時間が無かった。列車に乗って乗客の間からどうにか駅名標を撮ったが・・・。 7:07 福山に着いた。 7:45の三原行に乗った。駅のホーム手前が長いのだな。 しばらくすると車窓にばーっと瀬戸内海の青が広がる。 ん? 車内放送が糸崎で広島行に乗り換えることを勧めているぞ。三原では階段の昇り降りが必要だが、糸崎は同じホームで乗り換えられるとのこと。 で糸崎は下車したことがなかったので、08:14、降りてみた。無闇に広く留置線がたくさんある。 といふのも糸崎はJR貨物の駅でもあるからだ。広島まで山陽本線が開通する1894年(明治27年)までは三原駅だった。貨物列車が行き交う。 ホームには呉線の広行が居た。 私淑する内田百鬼園先生は車窓に広がる瀬戸内海が殊の外お好きで、必ず呉線を通ったというコトを思い出したので呉線回りを考えた。 この後の08:36 広島行に乗れば宮島口には10:43着。 停まっている広行に乗ると11:28に宮島口の予定になる。45分差とは微妙だが、 既に呉線を選んで何度も乗ってきたことだし、今回は諦めた。 広島行が来た。福山で三原行の15分後に発車の列車だったけど。まっいいか。 8:36発で動き出す。 9:57に広島着。しかし混んでいてホームをノロノロ歩く人も多くて、10:00発の岩国行には間に合わない。 諦めて駅うどんを啜ってから10:15発の岩国行に乗ることにする。 ネギいっぱい入れてね、と言ってみたら凄い山盛りがきた。天ぷらうどん370円。美味しい。 ここも当初は広電で宮島口に行くことを考えたが、暑いし、人も多いので広島10:15発の山陽本線に乗った。宮島口に10:43に到着。もの凄く外国人が多い。日本の観光地では外国人の人気ナンバーワンなのだそうだ。 探してやっと空いていた600円もするロッカーに荷物を置いて、11:10のJRフェリーで厳島に渡る。このフェリーには青春18きっぷで乗船できるのだ。 JRフェリーは厳島神社の大鳥居の近くを通るのがサービスらしい。 しかし、残念ながら干潮である。舞台も鳥居も砂浜の上だ。これは日本三景とは言い難い。 砂浜を歩く人が見える。 宮島に到着したが、無闇に人が多いし、異様に暑いし、干潮だし。速攻でUターンして同じ船で宮島口へ戻る。島での滞在時間は10分以下。そもそもアタシの場合、青春18きっぷの旅は、観光とは基本的に無関係なのだ。 これがフェリーの正面。 しかし晴天の瀬戸内海を行くだけで気持ちが良い。 宮島口の上の方に面妖な建築。金色の仏像が立っている。新興宗教関係らしい。 芦ノ湖で見かける様な海賊船。 昨年暮れに来た時は海だった場所が埋め立てられている。 宮島口12:00発の岩国行で12:23に岩国到着。 しかし錦川清流鉄道は14:15までない。ううむ。駅前は気温35°C以上あるぞ。2時間陽に当たって立って居たら豚の干物になっちゃう。 しばらく駅周辺を探索するが、何と喫茶店が無い。開いていた洋品店のおじさんに教えてもらって昭和レトロな喫茶店に退避。涼しい。アイス・珈琲は久しぶり。用品店のオジサンはウチの2階でタバコすって涼んでイケ、と勧めてくれた。親切な人だね。 14:00駅に戻り錦川清流鉄道の0番ホームに列車を見つけて乗り込む。 NT3004きらめき号という車両だ。 錦川清流鉄道は旧国鉄の特定地方交通線岩日線(がんにちせん)だ。 1960年(昭和35年)に川西ー河山が開業。1963年河山ー錦町が延伸開業した。1984年第二次特定地方交通線として廃止が承認された。1986年第三セクターへの転換が決まる。1987年錦川鉄道に移管、錦川清流線に改称した。 14:15 やっと出発。山陽本線と別れて進む。 一つ目の西岩国。島式ホームの片側の線路が撤去されている。1929年に開業した時は駅長以下10人の駅員、1979年の段階では駅長以下12人がいたが1992年に無人駅になった。 川西まではJR岩徳線を走る。 川西駅にはこんな立て札。 厳密には道祖峠トンネルを抜けた森ケ原信号場が分岐点。 右が錦川清流鉄道、左は岩徳線徳山方面。 すぐに錦川を渡る。この後延々と錦川に沿って遡上して行く。 制限時速15kmの区間。三菱マークは予告、この先で制限速度が15km/hになるよ、ということ。 中国自動車道の下を通る。 正面に山陽新幹線新岩国駅が見えたところで使われていないポイントから右に線路が出てる。噂によると新幹線保線基地にレールを運んだ跡だというが・・・。 そして山陽新幹線の高架下に駅。2013年3月までは御庄駅だった。新幹線の新岩国駅との乗換駅、徒歩7分で新岩国。 ホームには緩急車を使った待合室があった。 駅名標。 守内かさ神駅。錦川清流線で最後(1993年)に開業した駅。守内は地区名だがかさ神とは近所に有る皮膚病(瘡)に御利益のある神社がある。 駅名標。 ちょっと見難いが右の鳥居マークの看板に「かさ神 入口」とある。線路を潜って山の中に入っていくと小さな神社があるのをネットで見た。 写真を無理矢理にアップしてみた。 南河内駅。閑かだ。 駅名標 行波(ゆかば)駅。 駅名標。 北河内で列車交換。NT3002ひだまり号。 駅名標 錦川に沿って走る。信号機。 無闇にトンネルも多い。 川に沿って走っている様で、実はこの様な橋状の上を走っていることも多い。 椋野。 駅名標。 川に並行した鉄橋がたくさんある。向こうに見えている橋の左側に次の南桑駅があるが集落は橋を渡った右側にしかない。 南桑駅。 根笠駅。 お客さんが待っている。 駅名標。 錦川第二発電所、1927年(昭和2年)に発電開始という古い水力発電所だが山口県内3番目の出力。 錦川に沈下橋が見える。 河山駅。 駅名標。 島式ホームの片側の線路が撤去されている。降りた老夫婦の足下に辛うじて残った線路が見える。 柳瀬駅。 15:24 終点の錦町駅に到着。 かつては山陰本線の日原まで繋がる予定で工事も進んでいた。その痕跡はこの写真からは分からない。普通の終端駅に見える。 まあ越美北線九頭竜湖駅と長良川鉄道の北濃駅も同様に未成線を挟んだ両端の終端だった。 駅名標 ここまで運んでくれたNT3004きらめき号。 改札と出札口、右手には郷土のお土産が並ぶ。 錦町駅舎全景。錦川清流鉄道の本社もこの中にある。 おや、NT3004きらめき号が移動している。 16:05発岩国行の車両が入線。「NT3001せせらぎ」だ。大山椒魚が目立つ。 定刻、この列車は岩国行なのでアタシは川西で降りて岩徳線に乗り換える。 下りでは見えなかった河山駅のかつて貨物ヤードで使われてた線路が見えた。右端だ。 左の建屋横に転轍機梃子。手動分岐器(ポイント)を信号扱い所で遠隔操作するためのもの。と言われても実態が想像出来ない。無理矢理アップにしたのでピンが甘い。 北河内で列車交換。 あらあら、またNT3002ひだまり号が来た。 森ケ原信号場の手前で再び岩徳線が寄ってくる。 合流して。 川西に到着。17:05。 ここで下車、 NT3004は岩国に向かって行った。 一昨年にこの駅を通った時もコレを見て橘屋円蔵(元・月の家円鏡)に似てると思った。好きな噺家だったが残念ながら昨年亡くなった。女流作家の作品は高校生の時に新潮文庫で読んだが内容は覚えていない。 女流作家の生家があるらしい。 徳山に向かう岩徳線が来た。17:27発だ。大好きなキハ40系だ。と言うコトは残念ながら前面展望系は撮影出来ないし窓も極端に汚いので・・・。 18:34 徳山に到着。 徳山から連日の睡眠不足で剰りに辛いので新幹線で下関に行くことも考えたが新下関がボトルネック。5000円近くかけても下関への到着時間が30分も変わらない。流石に馬鹿馬鹿しいので却下。 19:00発の山陽本線で下関まで約2時間、作業と爆睡の行ったり来たりを反復。 20:54 下関に着いた。 コンビニで夕食を買ってホテルにチェックイン。21時20分。これから記事を書いて、どんなに急いで書いても25時まではかかるよなぁ。 うひー。明日も4時起きだぁ。睡眠時間が3時間だ。 本日の移動 倉敷〜清音 7分 7.3km 清音〜神辺 50分 38.3km 神辺〜福山 14分 8.4km 福山〜糸崎 29分 29.2km 糸崎〜広島 81分 73.8km 広島〜宮島口 28分 21.8km 宮島口〜岩国 23分 19.6km 岩国〜錦町 69分 38.3km 錦町〜川西 60分 32.7km 川西〜徳山 67分 41.5km 徳山〜下関 114分 113.2km 542分(9時間2分)乗って、そのうち踏ん張り撮影が179分。 424.1kmを移動。 平均速度は 46.9km/h、たぶん錦川清流鉄道と岩徳線が遅いのね。 明日はJR九州の終端駅と甘木鉄道、松浦鉄道に乗る予定。ハイホー。
by duchampped
| 2016-07-29 16:17
| 各駅的阿房列車
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