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というか極々表面的な部分の話でありますが、荷風散人は50歳のアタシからは「理想の生涯の過ごし方」の一つとみえるのであります。
家族のいない孤独? (独居老人荷風の死) 今の日本社会に蔓延する「家族と同居する孤独」よりもマシなのではないでせうか?(笑) 荷風は、その若き日、アメリカとフランスに遊びました。鴎外漱石の明治官費留学第一世代と異なり、初めて「文人として生涯を過ごす覚悟」の渡航者だったのですね。 芸術だけが若き荷風にとっての目的だったのです。 帰朝後は父の残した財産の御陰で悠々自適。同じように父の残した資産で一生涯働かずに過ごしたマルセル・デュシャン(とその兄弟たち)と並んで実に羨ましい限りです。(笑) イヤな注文原稿書きはせずに済んだワケですし、慶應義塾教授の職も適当に放擲し、断腸亭から偏綺館へと自由な一人住まいをとことん愉しんだのです。二度の短い結婚生活という間奏曲が夾まれますが。(笑) 昨今はブームです、ゾロゾロと教養のナイ爺婆が江戸を散策しています。(アタシもその一人です・・・が、集団で騒がしく歩き回る様なコトはないです。ひっそり一人で歩いています。) おそらく最初に散策という時間の過ごし方に愉悦を見出したのが高踏!遊民としての荷風だったのでしょう。 当時庶民は移動という目的以外で歩きまわったりしなかったのですから。 文人の徳富蘆花ですらそうです。昭和初期に書かれた「みみずのたわごと」(岩波文庫)を読んでも「徒歩移動」はたくさん出てきますが、散策は出てきません。 荷風の「日和下駄」は大正年間に書かれたものです。 そして荷風には古今東西の文物に関する深い教養がありました、少なくとも蘆花先生よりは。(笑) 何よりも洋行帰りの荷風は明治の「進歩主義」、それも薩長の田舎者が振り回す野暮ったい進歩主義が堪らなくキライだったのです。 ですから、過去に向かう荷風の視線がとらえる風景、というか「見え方を支える価値観」が根本的に違うのです。 評論家の川本三郎氏はエッセイの中で、ボードレールの散策したパリと同様に、ムラ社会から都市社会化したために「無目的に歩き回る人間」を無視してくれる環境が荷風が散策を始めた当時の開化東京にも醸成されつつあったのだらう、と書いておられます。 もうひとつ、面白かったのは、明治の留学者たちは一様にロンドン(漱石)、ベルリン(鴎外)やアメリカを目指しました。 しかし、 「英米は薩長がた、フランスは幕府方、だから旧幕府勢はフランスに留学するのだ」 という説には、何というか、実用的官費留学と芸術を目的とする留学という背景と共に考えさせられるモノがありますね。 さて、孤影飄然と古き江戸(情緒)を隅田川東岸に求めて散策し、墨(ホントは‘さんずい’が必要)東奇譚を書き残した荷風。 アタシ“日和下駄”は大好きな書物です。他にもばらばらと小説その他は読みましたがまとまって荷風散人をちゃんと読んでいないので書架にある全集を1巻から読みたいと考えています。 亡父の書架から貰ってきた岩波書店版の全集です。旧版の29巻全集、昭和37年の版ですね。 ところで、今読んでるのは ・荷風好日 川本三郎 岩波書店 2002 なのです。 ■参考までに、無闇に多いですが、読む予定というか、面白そうな荷風本です。 ・朝寝の荷風 持田叙子 人文書院 2005 ・荷風のリヨン-『ふらんす物語』を歩く- 加太宏 白水社 2005 ・父荷風 永井永光 白水社 2005 ・荷風の永代橋 草森紳一 青土社 2004 ・女たちの荷風 松本哉 白水社 2002 ・荷風とニューヨーク 末延芳晴 青土社 2002 ・わが荷風 野口富士男 講談社文藝文庫 2002 ・「断腸亭」の経済学-荷風文学の収支決算- 吉野俊彦 日 本放送出版協会 1999 ・ 永井荷風ひとり暮し 松本哉 朝日新聞社朝日文庫 1999 ・永井荷風冬との出会い 古屋健三 朝日新聞社 1999 ・荷風極楽 松本哉 三省堂 1998 ・荷風とル・コルビュジエのパリ 東秀紀 新潮社 1998 ・永井荷風の見たあめりか 末延芳晴 中央公論社 1997 ・荷風と東京-『断腸亭日乗』私註- 川本三郎 都市出版 1996 ・永井荷風巡歴 菅野昭正 岩波書店 1996 ・荷風さんと「昭和」を歩く 半藤一利 プレジデント社 1994 ・永井荷風の東京空間 松本哉 河出書房新社 1992
by duchampped
| 2006-08-30 08:58
| 逍遙的読書
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